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4月26日(火):
5月13日夜このホテル Eden で一泊することを、朝予約して、9時頃ホテルを出る。
Paddington 発 10:05 の列車で Oxford に 11:15 頃到着。インフォーメイションセンターでゲストハウスを
紹介してもらう。紹介料30ペンス。Mr.Goodall,'The Athena' 253,Cowley Road. £3.00 per a night.
Divinity Rd. でバスを降りると、そこはすぐに見つかった。
午後1時頃から雨が降り出し、5時頃まで止まなかった。
傘をさしながら街中を歩く。何処に大学があるのか? 予備知識のない者は誰だってそんな疑問を抱く筈
だ。曲がりくねった小さな路地を歩いて行く。通路のそばの窓からひょいと中を覗くと、学生が机に向かって
一心に勉強していた。そばにベッドがあったから、そこは恐らく彼の部屋なのだろう。
New College から出てきた時、向こうから学者風の紳士がやって来たので道を譲ると、'Thank you' と言
って中へ入って行った。彼に道を譲ったと云っても、ほんの少し歩くスピードを僕は落としただけだったから、
相手が気付かなかったとしても、僕は何とも感じなかった筈である。しかしその紳士は僕の動きを敏感に感じ取
って、Thank you と言ったのだ。観光客として、人が懸命に勉学に励んでいる場所を、覗き歩いている
という一種の負い目みたいな感じを抱き始めていた時だったから、その紳士の言葉は僕にとって非常に印象
的であった。
4月27日(水):
今日もよく歩いた。左足の小指が痛い。
このゲストハウスから町の中心まで歩いて20分位で行ける。昨日は雨で人通りはあまりなかったが、
今日は一日中すかっと晴れ渡り、街中は、学生、観光客で一杯であった。
自転車を利用している学生が多いらしく、各カレッジの前には自転車がたくさん置かれてあった。学生は
二十歳前後だろうけれど、どことなく顔付きが違う。勉学に励んでいる者特有の真剣な表情をしていて、単
なる観光客にすぎない僕なんか、これから先人生の明確な指針を見いだせないでいるのだから、何故かうし
ろめたい気分に襲われてしまう。
Christ Church Meadow を歩いていると、向こうの方から学生が一人、うすら汚れたよれよれの外套を着
ていたが、時々片手で何かのジェスチャーをしながら近づいて来、ぶつぶつと何か喋りながらゆっくり歩い
て行った。大きな難問に対して自問自答しながらの熟考の途中であったのか・・・。少し圧倒されると同時
に、このような恵まれた勉学環境の中で青春の一時期を過ごせる者は本当に幸せだ、と羨ましく思った。
University Parks では、クリケット競技をしていた。
古本屋を2〜3ヶ所入ってみたが、先生から頼まれている書物は見つからなかった。Broad St. にある
この街で一番大きい J.Thornton & Son という古本屋の2階で2時間ほどねばってみたが、見つからなかっ
た。一冊でもいいから見つかって欲しい。Cambridge と Winsor に期待するしかないか。
今日であれ程の混みようなのだから、夏は一体どうなることか! しかし、Hight Street や Carfox の
交差点辺りの混雑から一歩離れて、カレッジの中に入ると、急に静寂が取り戻せる。やはりこの街は、いく
ら多くの観光客が訪れても、大学(University)としての機能は失うことのない "Oxford" なのだ。千年近く
の伝統を持つ、古く且つ新しい街なのだ。学問の街。もう10年若ければ、どれ程僕の心はときめいたこと
だろう! 時は逆流しやしない。この幸福な時を、そして貴重な時間を、むなしい悔恨の雲で曇らせては
いけないのだ。
4月28日(木):
Woodstock へ行く。オックスフォードからバスで約25分。35ペンス。
雨、着くなり降り出し、帰る頃まで降り続いていた。
ウインストン チャーチルの生家 Blenheim Palace には入らなかった。広すぎるように思われたし、雨が
降っていて心はおっくうになっていた。その代わり、Oxfordshire County Museum に入ることにした。20p.
石器時代や鉄器、青銅器時代の遺品などが展示されていた。これにはあまり興味を覚えなかったが、中世
の頃の教会やオックスフォードの街の歴史などを2階で知ることが出来た。Oxford には午後3時頃戻る。
Oxford の New Theatre では明日から Hamlet が上演されるらしい。明日はここを出発する。残念。
Play House ではブレヒトの 'The Threepenny Opera' が上演されているのでチケットを買った。£1.40。
8:00p.m.Opening. 約2時間半。今5時半。すっかり晴れ上がった。7時頃出かけるつもり。
明日はストラットフォード。ゲストハウスを電話で予約する。 Nando's Guest House.£3.50 と聞こえた。
劇は Queen's Jubilee をパロディ化するように演出されていた。主人公の Mackeath が絞首刑になる寸前、
Royal Messenger がポインターに乗ってやって来て、命が救われるところで終わった。聴く力がもっとあ
れば、もっと楽しめたのに!という気持ちであった。とにもかくにも、BBC のラジオを聴いて大まかな意味
は容易に聞き取れるようになっていなければならない!
劇は10:30 に終わった。歩いて帰ってきたが、11時近くにもなっているのに通りはまだまだ人通りが絶
えていなかった。Oxford は Bournemouth と違って、若者が大勢いる町なのだ。
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