ハワース(「嵐が丘」の舞台)

ヒースが生い茂る荒野
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ブロンテ記念館 5月7日(土):
 ご主人に荷物を頼む。大変感じのよい人で快く預かってくれた。
 ブラッドフォードの City Center へ出る。New Exchange Bus St. から Haworth 行きのバスに乗る。 10時発、11時頃到着。まず The Brontё Parsonage Museum に入る。時々小雨がぱらつき、風が強く窓 の外の梢を騒がせていた。エミリーの弾いたオルガン。彼女が食事を作りながらドイツ語の勉強をしていた という台所。二階の子供部屋の白壁には鉛筆で女性の顔が描かれていた・・・等々。ここを出て、すぐ近く に OLD SUN HOTEL があった。リストに載っていて、それ程高くないので(£3.78)ここに一泊することに した。West Lane,Haworth. Tel. : Haworth 2780.
 ここは Lounge Bar もやっていて、車でやって来た人達の相当賑やかな声がこの2階の部屋にも聞こえて くる。今、丁度午後10時。土曜の夜だ。外はまだ小雨が降っているらしく、時々強い風が窓のガラスを烈し く敲く音がする。階下から人声が聞こえてこなければ、『嵐が丘』の一場面を連想してしまいそうだ。明日 は晴れてくれればいいのだが・・・。
 午後2時頃、ホテルを出て、Haworth Moor の方へ歩いて行く。風は相当強く、丘の上で凝っと立っていら れないくらいだ。共同墓地の裏手(南側)はヒースが生い茂っていて、荒れ地へと続いていた。その丘の頂上 には岩場があり、その近くには周囲を石で積み上げて垣を巡らした所があり、その内部は芝生が生えており クリケット競技が出来るようになっていた。強風の吹く中で十数名の人達がこれからクリケットをやろうとし ていた。そこを通り過ぎ、ぶらぶら歩いていくと、突然強い雨が降ってきた。傘を持っていなかったので上着 はずぶ濡れになってしまった。しかし、その雨も10分もしないうちに止み、太陽が顔を見せた。が、すぐに 小雨がぱらつき出したり、また陽が射したりで、実に不安定な天候であった。その後、Brontё Bridge & Falls の方へ歩いて行った。「ブロンテの橋と滝」は昨年大学の研究室から借りた書物にその写真が出ていたことを 帰り道にはっきり思い出した。このホテルに着く寸前、また突然、強い雨が降り出した。5時少し前であった。
 Water Falls からもう少し先へ行くと、今日ずっと探し続けて見つからなかった、写真でよく見る例の、 Derelict Farm があると、ブロンテ博物館で買った案内小冊子に書いてある。明日もう一度出かけて見るつも りだ。心配なのは天候。明日はきっと晴れてくれ!


遺棄された農家 5月8日(日):
 朝9時15分、ホテルを出発。まずまずの天候。Heaven be thanked! 数台の車と散歩している数人の人と すれ違った他は誰も人は見かけなかった。Far Intake から Moor に入った頃にはじわっと汗が出てきた。 Water Falls でしばらく休息をとる。水はとてもきれいに澄みきっていて、手で掬って飲むとそれまでの疲 れが一気にすっ飛んでしまうほどうまかった。小さな「ブロンテの橋」を渡り、丘の斜面づたいに登って行 くと、ずっと前方の Withens の頂上近くに例の遺棄された農家が視界に入ってきた。距離はかなりあったよ うで、そこまで辿り着くのに大分時間がかかり相当疲れを覚えた。
遺棄された農家(上方から)  その農家を少し上方の丘の斜面に腰を 下ろして眺めていると、家族連れらしき人達が6人、Top Withens の方からやって来た。Derelict Farm の前で写真を撮っているのを後にして、僕は道のついていない Moor を歩いて行く。少し不安であった。子羊 が一匹倒れている。死んでいた。思わず足の動きが速くなったものだ。あの家族連れは Stunbury の方へ行 くのが見えた。僕の方が高いところを歩いているのでよく見える。少し行っては止まり、彼等との距離と方角 を測りながら、自分の歩いて行く方向を確認していた。その頃は太陽は既に雲の中に隠れて久しかったが、雨 の降りそうな雲行きではなかったので、案外精神的には救われていたようだ。風はほとんど無かった。昨日の stormy な感じとは大違い。何のことはなく、Penistone Crag に到達。そこを通り抜けるとその年のうちに 結婚できると信じられていたという例の Hole は気付かなかった。(その時はその事は忘れてしまっていた。 残念である。しかし、その穴を女性がくぐり抜けなければ効果はないらしい。別に関係はないし、関心もな いが、話のネタに確認しておけばよかったと思う。)Ponden Clough に沿って、Ponden Hall まで来る。ここ からは普通の道路。Ponden Hall の入り口でベルを鳴らしたが誰も出て来なかった。この時間ではまだ入館 できないのかも知れない。その少し前に、先程の家族連れの人達に出遭い挨拶を交わしたが、彼等も Ponden Hall には入れなかったのだろう。
Silent Inn  Silent Inn まで来た時、時計は確か12時20分を示していたように思う。入ってコーヒーとサンドイッ チを注文した。5分ほど経った時、たくさんの人がドヤドヤと入ってきた。僕は食事を済ませるとすぐにそ こを出た。歩き出して5分も経たない内に背後からやってきた車が僕の横に止まり、乗せてやると言う。 Haworth で降ろして貰ってから思い出したのだが、確か Silent Inn で親子4人連れが僕の横の席に座って 食事をしていた。その人達だったのだ。そこを出る時、ご亭主と偶然視線が合い、Goodbye と言って出てき た。全然知らないのに声をかけてくるのは不自然なことだから。
 もう一度、The Brontё Parsonage Museum に入る。4:40p.m. 発のバスに乗り、ハワースを後にした。



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