上梓【2004.08.28】
§◆§出 会 い§◆§
== I've got an em@il. ==



 彼女にはフランス人のフィアンセがおり、来年渡仏して結婚する予定なのだそうだ。 彼とはアメリカに留学中に出会い結婚す ることになったが、彼はまだ定職には就いておらず、それでは親は許してくれるとは思えない。
 今は待機中で、フランスに関する情報を 集めている。家事手伝いをしながら留学する 'au pair' ことはできないかとフランス領事館に問い合せたり、フランス滞在ガイドブッ クには、最近は審査も厳しく甘い考えは通用しない等とあり、それやこれやの日々のなかで、私の『不法逗留滞在記』に目が留った。
 なにか良い情報をご存知であれば知らせてほしい、とのことであった。

[8/30 21:15] Sympathizing with you in your "sweet sorrow".

 'au pair'という言葉は知りませんでしたが、それで思い出したことがあります。
 私がパリでちょっと知り合った人なのですが、フランス人男性に日本食を作ってやる代わりに同居させて貰うという契約で来て いまして、その人から来仏直後の女性を紹介されました。その女性は日本を旅行中のフランス人青年と知り合い、結婚することになり、 東京から単身パリにやって来たとのこと。挙式後パリに住み、プランタンの高島屋で働いていました。一度お会いしてちょっと言葉を 交わしただけなので、その後の消息は分りませんが、非常に明るく前向きで、隣の県にでも行くような感覚でフランスへやって来たの ではないかと思われるくらいの人でした。

 ・・・そうですか。来年結婚式を(日本or仏国?)挙げるのですね。おめでとうございます。でも愛し合っていながら離れて 生活しなければならないなんて不自然ですね。貴方や貴方のフィアンセの気持ちはよく解ります。遠距離恋愛の辛いところですね。 でも頑張ってくださいね。

 今から18年前の4月、私はフリーパス同然(入国印を押されることもなく)入国し、その年の10月に3ヶ月の仮滞在許可証を 貰いましたが、正式の滞在許可証の申請を行うことなく、不法滞在を続け、翌年の6月に帰国しました。
 当時知り合ったボザール(美術学校)の画学生が3年ほど前に母校の助教授として迎えられ帰国しました。彼の話によれば、もう 半年滞在しておれば私も労働許可証を貰えたとのこと。今にして思えば、ちょっと残念な気もします。私の人生(その後は単調な生活) も波乱にとんだ軌跡を描いたかも知れない・・・なんて。
 当時私はアリアンスという半官半民の語学学校に通い仏語の勉強をしましたが、アリアンスの寮に宿泊しているという学生さんが いました。それで、その学生さんのように、1ヶ月位の語学研修という形で入国する(勿論、経済的余裕があってのことで、行ってみれ ば道は開けるだろうという期待を込めてですが)、これが一番安全な方法ではないでしょうか。しかし、仕事(勿論モグリの)が見 つかったとしても、不法滞在は覚悟しなければならない……ということになりますね。
 あのようなホームぺージを公開しておりながら、現在のパリ情報が得られる知り合いがいないなんて・・・。お役に立てなくて申し 訳ありません。

 因みに、件名の言葉はシェイクスピアからの引用です。
   "Good night,good night! Parting is such sweet sorrow that I shall say goodnight till it be morrow." 

芭俄梵信(バガボン・マコト)


 翌日、帰宅後メールをチェックすると、彼女からのメールが届いていた。
 一ヶ月の 語学留学という渡仏方法の一つの 提案に対して、経済的な理由から今は我慢するしか仕方がないという旨の、お礼の文面となっていた。
 彼女に適切な アドヴァイスができなかったのだから、メールのやりとりはこれでお終いとなるのが普通なのだが、しかし彼女は大いに気になる ことを書き加えていたのだ。

 添付ファイルがくっ付いていて、それを開こうとしたら、画面が急に真っ赤になり、この ファイルはウィルスに感染していると警告がでて、削除をクリックすると真っ黒になってしまい、反応が全くなくなってしまった。 コンピュータに関しては素人なので、どのようにすればいいのか、その対処方法を教えてくださいと結んでいる。これはいたずら なのでしょうか?と多少怒りを押し殺した文面となっていた。

[9/2 11:34] 実験

 私が送ったメールに不可解なファイルが添付されていたとか。それが原因で不快な思いをされたご様子。しかし、私は そのようなファイルは添付した覚えはなく、大変胸を痛めております。
 その後の貴方のパソコンに何か異常が認められるで しょうか? もしそのファイルが本当にウィルスに感染しているのならば、これは私にとっても大問題です。しかし、その前に ・・・。パソコンに関しては私も素人なのでよく解らないのですが、少し思い当たる経験があります。

 私のメールソフト は Outlook Express ですが、昨年の暮れ、ユードラを使っている方にメールを送ったところ、HTMLファイルが添付していたと言う のです。その方はすぐに削除したので、どのような名前のファイルだったのか判りません。その時その方からアドバイスを頂きました。 メール送信の形式を「テキスト形式」に設定してはどうか、と。調べてみると「HTML形式」になっていたので、早速「テキスト形式」 に設定を変更しました。現在もそのようになっています。また、インターネット機能の付いているシャープのワープロ、「書院」から メールを受けたことがあります。その方は、メール送信はその時が初めてで、操作がうまくいかなかったのでしょうか、同じような 内容のメールが三、四通届きました。その中の一通に(ファイル名から考えて恐らくシステム関連の)ファイルが添付していました。

 その後あるパソコン情報誌を読んでいると、同じメールソフト間では問題は起きないが、異なるメールソフト間では変な 現象が発生することがあるという記事が載っていました。貴方のメールソフトは私のと異なるようなので、この事がまず考えられます。 しかしこのようなことは常に起こることはなく、メール送信時の操作ミス等が原因で生じるのではないか、というのが素人の私の 推測ですが・・・。

 さて、通常私は頂いた方への返事のメールを出す時は、「返信」ボタンをクリックします。メール アドレスを書き込まなくていいからです。今回もそのようにしました。(そうすると全ての文に引用記号が付きますよね。 のような。 貴方のソフトでは縦の棒線ですね。)貴方の文章を消して、さて書こうとしましたが、その棒線が消えず、私の書く文に棒線が付く ようなのです。それでもよかったのかも知れませんが、いい気はせず、そのメールは消してしまいました。そして「新しいメール作成」 ボタンをクリック、(この場合メールアドレスを書き込まなければなりません)そして文章を書き、送信しました。
 以上のような過程を経てメールを送信したのは初めてです。今回の出来事は、メールソフトが異なっている状況で、私が「返信」 ボタンをクリックして出そうとしたメールを削除したことが何らかの悪影響を与えたのではないだろうか?・・・と思っています。 但し、ウィルスに感染しているか否かの問題を別にすれば・・・という条件づきですが。

 このメールは「新しいメールの作成」ボタンから作ったメールです。添付ファイルはありません。正常に届いたでしょうか?  もし何かファイルが付いているようでしたら、異常ですので、添付ファイルは開かないで、そのファイル名を確認できればして いただけないでしょうか。簡単で結構です。様子を知らせて下さい。

芭俄梵信


 彼女にメールを送ると同時に、彼女からメールを一通受信した。「ごめんなさい」と いう件名で、送信時刻は[8/31 22:32] となっている。8月31日にメールチェックした時刻が21時頃だったので、その時このメールを受信できなかったわけだ。
 ウ ィルスはウィルスバスターという駆除ソフトで駆除することができました、とあった。ウィルス名は TROJ_SKA 、そのファイルと場所 は C:\WINDOWS\TEMP\HAPPY.EXE と書かれてあった。

[9/2 12:57]一瞬ドキッ!

 先ほど、件名「実験」のメールを送信したとき、貴方のメール、件名「ごめんさない」を受け取りました。読んでいて、 一瞬ドキッとしました。ファイル名、"HAPPY.EXE"・・・、どこかで見たような名前だ・・・。
 あ!、Graham さんが送ってく れた、あの花火のやつだ!。

 実は、今年の三月、イギリスのヨークシャー地方に住む Graham Smout という方からメール を頂き、そのやり取りの中で、イギリス旅行(日)記やシェイクスピア関連の文章を英語に翻訳(誤訳だらけでしょう、恥ずかしい) することを約束しました。Graham さんが、まさか・・・という思いで、"HAPPY.EXE" が在るかどうか検索してみました。無いとで て、ほっとし、確認してみると、グラハムさんが送ってくれたファイルは "Happy99.exe" でした。よかった!よかった。

梵信


 彼女に出した件名「一瞬ドキッ!」のメールで、私は「よかった!よかった」等と結ん でいる。その時点では、グラハム さんから貰ったファイル"Happy99.exe"は彼女のいう感染ファイル"HAPPY.EXE"とは違う、関係ないんだと思っていたのだろう。
 し かし、その後やはり気になって調べてみると、3月14日にグラハムさんから届いたメールにそのファイルは添付されていたのだった。 そして、その十日後に、件名"About Happy99"、宛先"Alan Brown"とあるメールがグラハムさんから届いていた。そのメールはCCで 送られてきたのだが、その時の私はCC(カーボンコピー)のことなど、まったく分っていなかったのだ。

 "About Happy99" というファイルには、"Happy99.exe"はウィルスであり、その削除方法が述べられていた。すぐに私は指示通り三つのファイル "Happy99.exe"、"Ska.exe"、 "Ska.dll"を削除したが、残り二つのファイルの名前の変更の仕方が分らず、グラハムさにその方法を 問うメールを出したのであった。

 彼女からはすぐに、件名「ちょっと、あやしい」という返信があった。「最初に出た 警告には、このファイルはHappy99wormに感染しています。… … … 私がメールを送ったばっかりに、ややこしいことに巻き込ん でしまって、ごめんなさい。」等とあり、あやまるのはこちらの方なのに、本当に恐縮してしまった。

[9/3 14:38] 「ちょっと、あやしい」への返信です。

 ちょっと、あやしいどころではありません。大いに怪しかったのです。感染していました。
 「一瞬ドキッ!」の メールを送信後、疑問に思い、調べてみました。実は "Happy99.exe"は3月14日に、前便でお話したGrahamさんから二通のメールが 届き、一通の方がそれだったのです。私はGrahamさんが作られたアプリケーションだと思い、開いてしまいました。 (ウイルス検知ソフトは入れていません)お礼のメールを出して十日ほどしてGrahamさんから"Happy99"についての文書が送られて きました。宛先は私ではなかったので詳しく読まなかったのです。そのときに気付いておれば貴方にご迷惑をかけずにすんだのだと 思うと、本当に申し訳なく思っています。

 貴方からのメール「お返事ありがとうございました。」は 08/31 20:49,「ごめんなさい」 は 08/31 22:32,になっています。これは貴方が送信した時刻だと思います。私は31日の21時頃に接続しましたので、その時 一通しか受信できなかったのでした。

 現在、私の頭は混乱しています。実はこのメールは「返信」でだそうと思い クリックしたところ、例の如く棒線が現れました! すぐに消して「新しいメールの作成」からだしています。それで、またおかしな ことになるかも知れないですが、もし何かファイルがくっついていたら、開かないで削除して下さいね。そして様子を知らせて下さい。 お願いします。

 昨夜は"Happy99"の文書を読み、指示通り手動で関連ファイルを削除しましたが、名前変更の操作が出来なく、 Grahamさんに問い合わせのメールを出しました。そして先ほど接続し、貴方からのメールを受信しました。ところがおかしなことに Grahamさんへのメールが戻ってきたのです。CCで自分宛に出した覚えはなく、これはおかしいですよね。Grahamさんへは関連ファイル を手動で削除した後でのことなので、こうなったのではないか? そうするとこのメールも貴方に届かないかも知れないです。 無事届けば、様子を知らせで下さい。

 本当にフランスの話どころではなくなってしまいましたね。でも、メールが安全に 届くようならば、質問があればメールを下さい。
 この度は、本当に申し訳なく思っています。このメールが安全に貴方の手元に 届くことを願いつつ。  梵信


 その日の夜、すぐに彼女から「大丈夫です。ちゃんと届きましたよ。」という件名のメールがあった。
 よかった!  ほっとすると同時に、"Happy99.exe" 等、主要ファイルは削除したのだから、当然といえば当然、等という思いもあった。しかし、 あの時だけどうしてウィルスがくっ付いて行ったのだろうか。その後出した二通のメール(「実験」と「一瞬ドキィ!」)には 付いて行かなかったのはどうしてだ。3月14日以来、出したメールにはくっ付いて行かなかったのだろうか?
 あの時、 返信ボタンをクリックすると、確か彼女の文に棒線が付いたので、それを嫌って、やり直そうと削除した。その間に、"Happy99.exe" に悪さをする時間を与えてしまったのだろうか。よく判らないが、その可能性は十分考えられる。

 彼女の使っているメー ラーは私と同じ、Outlook Express だと言っていた。彼女は試しに、今回私が送ったメールの返信ボタンを押してみた、すると 縦の棒線が出たというのだ。

 私はまだ、ファイル名 "Wsock32.dll"を"Wsock32.bak"に、"Wsock32.ska"を "Wsock32.dll"に変更していない。もともとあったのは "Wsock32.dll" と "Wsock32.bak" いうファイルであり、ウィルスは それらのファイルに本来の働きをさせないために、即ちウィルスが悪さをする為に、ファイル名を変更する必要があったと いうことになる。"Wsock32.dll" と "Wsock32.bak" いうファイルが本来の働きをしていないことが、縦の黒棒がでる原因 なのではないかと、一応考えられることになる。この推論が正しいか否か、素人の私には判断する自信は無いのだが・・・。

[9/4 20:18] ちょっと安心しました。

 無事届いたようで、ちょっと安心しました。今回のことでは、知らなかったとはいえ貴方の感情を高ぶらせて しまったようで・・・、でもパソコンを少し身近に感じるようになったのでは―とか言っちゃって・・・。

 この暮れが 来ると私のパソコン歴は三年になります。その間いろんなことがありました。Javaに興味を持ちアップレットを作ってみたり (そんな能力はないと途中で断念)、昨年の秋マシーンを三回も修理に出したり、それでハードディスクを空にしWin95を再イン ストールせざるをえなくなったり、故障が起きる度に富士通に電話をして教えて貰い、徐々にパソコンに親しんできました。
 昨日の朝、パソコンを起動すると、その途中「ファイル"Ska.exe"が見つかりません・・云々」と出て、富士通へ電話。 このファイルは手動で削除したやつなので、必要なファイルなのか知りたかったのですが、長く待たされて、判りませんと、 二三分で終ってしまいました。しかし富士通の人に教えて貰うことが多かったです。また自分で本を読んで勉強したりで、 パソコンに親しんできました。でも、ホームページを作ったことのない人に「私も素人なので・・・」と言うと、嫌みに聞こ えるかも、ね。今後言葉に気をつけます。でも分らないことが一杯、いっぱい、一杯あり、 私の意識の中では今でも素人なのです。

 パソコンを購入して間もな い頃、体験版CDを見ていてたのですが、終了ボタンが見つからないのです。画面では同じ事が何回も繰り返されている。深夜 だし富士通に電話できないし、このままでは気になって眠れない。本当に慌てましたよ。こわごわなんですよね、初心者は。 Escボタンを押してみるなんて、そんなこと知りませんもんね。なんかのはずみで画面が静止し、終了ボタンが見つかり、 やれやれ。
 また、インターネットに接続しているとき、よくフリーズしました。最初は本当に冷や汗が出ちゃいました。 説明書を読むのに必死でした。今ならエイ!と電源を落としちゃいますよ。その頃はそんな勇気はないです。本当にビクビク だったですね。今からすれば楽しい思い出ですが・・・。
 私のHPも最初は、今から比べると貧弱だったですよ。 町田さんという方のアプレットを使わせて貰って、少しは見栄えがよくなりました。貴方もご自身のHPを作られてはいかが ですか。今は便利なソフトもあるようですが、そのソフトの使用方法を覚えるよりはHP表示タグの使い方を覚える方が 易しいかも。画像と文の表示方法が基本です。これはすぐに出来ます。後は徐々に複雑な表示方法を覚えていけばいいのです から。
 フランスで生活するようになって落ち着かれたら、フランス人の日常生活の様々な局面を写真などとともに レポートして頂けたら、素晴らしいですね。お子さんが生まれたら、その成長過程をリアルタイムで日本のご家族に知らせる こともできるじゃないですか。期待していますよ。

 話は変わりますが、「返信」の機能がおかしくなっているかも 知れないですね。以前はこんな事はなかったですよ。最初は違うメールソフトだからと思ったのですが、同じ Outlook Express ですよね。やはり何らかの影響が残っているのかも知れないですね。昨年、左に縦棒の入ったメールを貰ったことが ありますが。Outlook Express では通常こんなことはありませんよね。

 "Happy99"に関する文書を読んだ私の理解では"Ska.exe"はあのウィルス(正確には a worm program なのだそう です)が悪戯に作ったファイルだと思うのですが・・・。Win95にとって必要なファイルなのか否か・・・。よく判りません。

 このメールの宛先はアドレス帳から入れました。  A bientot. Bonsin


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