五 大 瞑 想 |
CDを整理していると、五大瞑想 高野山 成福院 上田益 と書かれたCDが目に留まった。上田益! 今、コーラスで歌っている曲の作曲者だ! 実は、2000年の夏、初めて高野山の宿坊「成福院」で三泊し、その時ネット予約した者だけに謹呈されたCDであった。 40歳の半ば頃、「第九」を歌う 舞台に立つには立ったが、自分の音程のとれなさに絶望し、二度とコーラスはやらないと決心していたにも拘らず、不思議な縁のつながりで、或る合唱団に入団し、 コーラスを歌(わせて貰)っている現在の自分を思うと、不思議な、有り難い縁の繋がりを実感しないではいられない……。 |
五 大 に つ い て |
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仏教では、人間をも含めた宇宙全体の構成要素、真理を象徴するものとして、「地」「水」「火」「風」「空」の五つを挙げている。 「地」大は、大地という要素を土台として、すべてのものは育まれることを意味し、 「水」大は、すべてのものに潤いと、持続する生命を与えるものである。 「火」大は、エネルギーであり、生命に熱と力を与える働きである。 「風」大は、宇宙全体の息吹であり、生きとし生けるものすべての呼吸そのものである。 「空}大は、すべてのものを包み込む宇宙そのもの、永遠であり広大な世界観である。 |
聲明(ショウミョウ)について |
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聲明は、経典にメロディーを付けて唱える仏教音楽といえる。「声楽」に属し、インド・中国・日本を通じて仏教音楽の中心を成している。 今から二千四百年余り前、インドではすでに聲明の原型があったことが、数々の経典の記述によってうかがい知ることができる。 日本には真言聲明と天台聲明という二つの大きな流派がある。 真言聲明は、弘法大師によって大同元年(806年)に伝承されたと伝えられている。 高野山には現在、真言聲明の中の「南山進流(ナンザンシンリュウ)」という流派のものが伝わっている。 |
上田 益 プロフィール |
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1956年、高野山成福院の先代住職である、前官上田天瑞の孫として生まれる。京都市立芸術大学作曲専攻卒業。1980年度、文化庁芸術家国内研修員。 長野オリンピック・聖火リレー公式式典曲「WINTER FLAME」や広島アジア大会「開会式」「閉会式」の音楽作曲をはじめ、サウンドクリエイターとして、 イベント・CM・TV・アートビデオ・舞台・楽譜出版など、多角的な創作活動を展開中。CDアルバムに、「ASIAN RHAPSODY」「古都の風音」などがある。 (注:2000年現在) |