魂が昇り、回帰する―― 古くより加賀の地に 伝わる白山信仰の寺、那谷寺。 養老元年(717)、高僧・泰澄によって白山が禅定され、那谷寺も開創されました。 巨大で幽玄な岩が多く残る土地にお堂を建立し、本尊・十一面千手観音菩薩を安置 したため、当時の名は「岩屋寺」と呼ばれていました。後に花山法皇が御幸された際、 洞窟内の本尊を拝され、「那谷寺」と名を改めました。 南北朝の争いで多くを焼失しましたが、寛永年間に加賀藩主・前田利常によって復興され、 現在も白山信仰自然智の森として祈りを捧げています。 |
元禄2年(1689)に那谷寺を訪れた松尾芭蕉は、「奥の細道」に当地の優れた景観を書き留め、
「石山の石より白し秋の風」の句を残しました。 加賀前田家三代利常によって再興された本堂・ 三重塔・護摩堂・鐘楼などの堂舎が、様々な奇石取り巻く谷地形の随所に建ち、松などの樹叢に覆われた 境内の景観とともに、独特の趣を持つ霊場の風景地として多くの人々を魅了し続けています。 「奥の細道」と那谷寺 芭蕉は、小松から山中温泉に向かい逗留した後、そこで弟子の曾良と別れます。その後、小松に戻る途中に 立ち寄った場所が那谷寺です。 「奥の細道」の中で、石山の景観を「殊勝の土地也」と称えています。 |