== 自己愛の断片(詩?) ==



八月


 八月の街路樹に
 緑の風が吹く

 八月の心の架け橋に
 薔薇色の虹がかかる

 青い空を白い雲が走り
 太陽は美しく輝く

 ――美しく輝く太陽
 ――果てしなく膨らむ夏の雲

 噫、それは切に願われた
 あの遠い空の向こうの出来事だった!

 初めての言葉は
 閃光のように角を尖らし
 硬直しそうになった空に
 血のような
 痛い雨を降らせた

 あたかも
 生存の初源性にまつわる
 諸々のことは
 美しいまでに悲しく
 悲しいまでに重い
 意味を持っている
 かのように・・・